すると不意に、ころころと、どこからかボールが転がってきた。
それが、私の足元で止まる。
私はそれを拾い上げ、ボールを追っておぼつかない足取りで走ってきた男の子に渡した。
お姉ちゃん、ありがとう。
その子は、たどたどしい口調でそう言って、にっこりと微笑んだ。
それから、私と三上さんとの顔をじっくりと、交互に見つめた。
どうしたのだろうと思いながら、私も三上さんも、黙ってその様子を見ていた。
「ねえ。お姉ちゃんたちって、カップルなの?」
「え?まさか――」
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