「ひっ!」

掴まれた手をみれば、さっきまで寝ていた大澤くんもどきが真緒の手をガッチリとつかんでいた。

「……お前、見たよな?」

突然、大澤くんもどきが地を這うような声で問いかけてきた。

この声、どこかで……

「み、見てないです!なにも見てないから、手を離してください!!」

掴まれた手を振り払おうとするが、ガッチリ掴まれていて振り払えない。

「いや、お前俺のことガン見してたじゃん!わかってんだよ!」

大澤くんもどきは声を荒げて顔をあげた。

大澤くんもどきと目があった……。

真緒は言葉を失い、まるで石にされたかのように固まった。

「おい!なんとか言えよ!片岡!」

この人は……

私の片想いしている

相田健太郎である。