カレカノ学園~彼氏、彼女を作りましょ?~

私が通っている雲母義学園。

名前が綺麗で、素敵な場所。

校風だけ見れば至って普通の学校。

校則は、ちょっと。

いや、だいぶ変わっているな。

校則
〈1、この学園では、1年間に恋人を作らな   ければいけない。
 2、それが無理なら退学!
 3、真面目な生徒求む!
 4、付き合い始めたのなら生徒会に言うこ   と。

  その他ETC        〉


この学校、宗教学校より変じゃないです?

あーあ、こんなことなら女子校に行けばよかったなー。

ただでさえモテないのに彼氏ができるわけ………。

「あのー。」

と私の考えを遮るように男の子は言った。

私「はい?なんですか?」

「俺、櫻田刃(さくらだやいば)。あなたの名前は?」

私「私!?私は、真中聖名(まなかせな)」

刃「………ちょっと、こっち来て!こんなに人多かったら言いにくいから?」

は?人混みで言いにくいこと?

何言ってんだろー?

私「あ、あのー。人違いじゃないですか?私の妹と勘違いでもしてるんじゃ。」

刃「い、妹?」

私「は、はい!私には、双子の妹がいて。
妹の方は私よりだいぶモテます。私なんかがモテるわけないじゃないですか。」

刃「…ぷ。ハハハハ。」

ち、ちょ。何で笑ってんの?

私なにかおかしなことでもいったかな?

私「なんで笑ってるんですか?」

刃「ハハ。ごめん。いやー、大分鈍感だね。聖名ちゃん。」

私「鈍感なんかじゃないもんっ!」

なんで私むきになってんだろ?

刃「あー、ほんとに鈍感だね。こんなところに呼び出すのほかに何があると思う?」

こんなところっていうのは、校舎裏。

そこは、私が中等部の時にいじめられていた場所。

いじめ………かな?

でも、悪い人じゃなさそー。

私「…いじめ…。」

刃「え?」

私「私、中等部の時、ここでいじめられてたの。って言っても違う中等部。桜ノ宮学院だったけどね。」

桜ノ宮学院は、小等部、中等部、高等部、専門学部があった。

私も、いや、私達も本来なら桜ノ宮学部に通ってたんだけど。お父さんの転勤で、私達はここに入れられたんだよね。まさか、恋人を作る学校だったとは!?

刃「な、なんかごめん。」

私「ううん。大丈夫!気にしないで。」

刃「…お、俺。」

私「うん?」

刃「…………聖名の事が好きだ!俺と付き合ってくれ!」

は?

な、何を言っているこやつは!?

私「……全然知らないから考えさせて。だって、あなたのこと知ったの今さっきだもん。」

刃「俺も今さっきお前に一目惚れした。返事、急がなくてもいいかんな!じゃな!」

と言うと校舎の中に消えてしまった。

あ!アドレス聞いときゃよかった。

そう後悔しても、後の祭り。。