今夜、君に月をあげる。






「…うん、沙月だよ。僕と一緒にいたの。」




覚悟を決めて、そう肯定すると彼女が混乱した顔を見せた。




ま、まあ確かに、僕と沙月に接点なんて見当たらないよなぁ…。




「…え、じゃあ、えっと、鈴木くんと沙月ちゃんは仲良しな、の…?」



「んー…仲良しっていうか、…友達?」



一応あの不思議な関係には友達という名前が付いていたから、答えると「疑問形…?」と余計に困らせてしまった。



「でも…、じゃあ、どうして松坂くんとかに言ってないの?」



「どうして…だろう、ね。なんか本人が学校にいないから言っちゃいけないような気がして。」




それに、沙月が死なないから、とか。彼女のわがままを聞く、とか。




そういう話まで全部したらすっごい長くなりそうだし。




…そもそも、信じてもらえないでしょ。