「なぁ。」
「なに?」
「思うんだけどさ、なんかお前変わった?」
月曜日。松坂の急な質問に、飲んでいた水を思わずゴホッと吹き込む。
危うく目の前の食堂のカレーを台無しするとこだった。
そうしたら松坂に全責任をとってもらう方向でいこう。うん、絶対に。
「…で、なに、いきなり。」
「なんていうかなあ、なんか、勘?ていうか本当になんとなく?」
「ざっくりすぎてよくわかんない。」
「そう言われても、なんか柔らかくなったっていうか。前はもっとなんか静かな感じだったのに、イキイキとしてるっていうか。ああ、オーラ?」
「だからそれがアバウトなんだってば…。」
スプーンでカレーを口に運んでから、頭を悩ませている松坂を見る。
僕自身としては別に何か変わったという意識はないけど。
「なんか、…うーん。楽しそうなんだよ最近のお前を見てると。」
「それは僕が今まで楽しそうじゃなかったってこと?」
「いや、前も楽しんでたけど、今はもっと輝いてる感じ。」
「そう?」
松坂の意見に少しだけ首をかしげた。
楽しそうって言われても、それこそ普段と変わった気はしない。
…まあ、でも思い当たるとしたら1人だけ原因が浮かぶ。