「ありがとう、すずくん…!!」
小さな切符を両手できゅっと握った沙月が僕に笑いかけた。
それから大切そうに財布にしまおうと、カード類を整理している姿を見て、僕も思わず微笑んでしまう。
その瞬間、バサバサっと沙月の白い長財布からカードが数枚散らばった。
「あっ、やっちゃった!!」
急いで屈んだ彼女につられて、手分けしてカードを拾う。
結構幅広い範囲に、散らばったなー…。
『Moon cafe』と書かれたカードともう一枚裏返った白いカードに手を伸ばす。
きちんと沙月のだと確認するために、表へとひっくり返すと『患者カード 若宮沙月』と書かれていた。
なんだ、これ…?
不思議に思っていると、「ごめんね、すずくんっ。」と声がしたので、慌ててカード2枚を彼女に渡す。
「切符綺麗にとっておこうと思ったら、手元が狂っちゃった…、バカだよねっ。」
「う、ううん、大丈夫。」
「……どうかした?」


