今夜、君に月をあげる。







「ずっと願ってた幸せも、当たり前みたいになって気付かなくなっちゃうんだね。」



「うん、…幸せに慣れちゃうとね。」



「あーあ、このままだとすぐに1ヶ月過ぎちゃうんだろうなぁ…。」




少し項垂れるようにそう言って、再び歩き出した彼女に続く。




彼女の右隣に並ぶと、小さく微笑まれた。





「あのね、すずくん。来週の今日は満月なんだよ!」



「へー、そうなんだ。」



「反応薄っ!!」





「ひどいー!」と言って僕の腕を軽く叩く彼女に、ハハッと声に出して笑った。




沙月はやっぱり不思議だし、謎だらけだから、確かにこんなに一緒にいるなんて変なのかも。




でも、…それは、君の隣がすごく心地良いから、仕方ないんじゃない。