形に残るものをお土産に買ってほしい!という要望に応えて、可愛い柄のグラスを買った僕にご満悦の様子で水族館を出る。
自分のスノードームも買えて、すごい満足のようでご機嫌だった。
…軽やかに鼻歌を歌っちゃうくらいには。
「わっ、もう夕方だね〜。」
「…ていうか今、日が沈んでるからね?」
「え、私達どんだけ長くいたの。確か館内巡り終わるのって普通2時間だよね?」
ケラケラ笑う彼女に、空を仰ぐ。
まあ、確かに昼の青空とは変わって暗くなって来た空に時の流れの速さを感じた。
また来ればいいのに、沙月が後悔しないようにあれも見たい!これももう一回!って引っ張り回すから…。
「まあ、でも、結局僕もすごく楽しんでたけど。」
「ふふっ、そう言ってもらえると良かったな〜。私もすずくんと来れて楽しかったよ!」
笑ってVサインを見せた彼女が僕に背を向けて駅へと歩き出す。
それを追いかけるように隣に並ぶと、ちょうど海岸沿いの道だから、沙月のバックに海が見えた。
「はぁ〜…、本当は一緒に有名スポット行って夜景とか見たかったけど、残念ながら時間もお金もないのだよ〜…。」
「そういうのは今度ちゃんと彼氏と来なよ。」
「えっ、そういうこと言っちゃうの、残酷〜。」
ニコニコしながらもそんなことを言う彼女に肩をすくめる。
だって、沙月だったらすぐにでも彼氏の1人や2人作れそうだし。
少しだけ晴れない気持ちを抱きつつも、俯いて歩けば、彼女がトン、と僕の肩を叩く。


