今夜、君に月をあげる。






「── すごく綺麗…。」





カフェで先に昼食を済ませた後、待ち望んでいた水族館を回る。




群の魚が動きまわっていたり、色鮮やかな魚が自由に泳ぐ様子につい癒されそうになった。




改めて見ると、確かにすごく綺麗。




「…ねえ、見て、ここのエリアクラゲがいっぱい!」



「ほんとだ。」




楽しそうな沙月に手招きをされて近づけば、ライトアップされたクラゲが幻想的に水の中で舞っていた。




「…かいづき…?すずくん、海に月って書いてなんて読むの?」



「海に月…?ああ、クラゲかな。確か海上に浮かぶ月もそういう漢字で“かいづき”っていうはず…。」



「そうなんだ…!物知りだねありがとうっ。」



笑った沙月がガラスのそばに駆け寄って、「私と似てる名前だねぇ」って話しかけるから思わず小さく声を出して笑ってしまった。



前に、僕の犬のミヅキにも反応してたから、月という名前が入っていれば仲間だと思うのだろうか。