少しだけやっぱり風が強くて、僕のカーディガンと沙月のワンピースが泳ぐようになびく。
それすらも僕の気分を上げてくれるようで、なんだか思わず自分で笑ってしまった。
沙月に連れられてきた割には僕もはしゃいで楽しみにしてる。
こういうところが子供っぽいんだろうなあ。
「ねえ、すずくんっ、見えて来たよ!!」
「本当だ。」
でも、僕以上にはしゃいでいる人が隣にいるからそれくらい、いいかな。
3分という表示通り、すぐに見えてきた水族館に足が少しだけ速くなる。
ふと視線を周りに向ければ、海がすぐ近くにあって。
そしてすぐそばに沙月がいて。
空はまだすごくすごく明るいのに。
相変わらず、非現実的で夢みたいな世界だなあなんて、沙月の華奢な背中を追いながら少しだけぼんやりと思った。


