今夜、君に月をあげる。







「お姉さんと仲良いんだねっ、でもいいなぁ、私なんて久しぶりにこんな時間に外出るから今何が流行りかとかもわかんなかったよ〜。」




「そう?沙月は似合ってると思うけど。」




黒い艶のあるストレートのロングの髪と、白い服に負けないくらい透き通った肌が余計に引き立ててる。



どちらかと言ったら清楚な感じの服がすごく似合う。




僕が素直に褒めると少しだけ口元を緩ませて、「ありがとう」って呟く。




それを確認してからエスカレーターを降りて、改札に向かおうとするとクイッと服の裾を引っ張られた。




「待って、すずくん。あの、私切符の買い方わかんない…。」



「…え?電車乗ったことない?」



「2回だけあるけど…、その時もお母さんが買ってきてくれたから…。」




僕はICカードを持っているけれど、確かにこの県は電車利用する人も少ないし切符を自分で買ったことない人もいなくはないかもしれない。




僕の裾を掴んで、きゅっと唇を結ぶ沙月に思わず口角が上がる。




「分かった、じゃあ一緒に買おう。」




どうせ帰って来る時にはチャージが必要だったし、今日は久しぶりに僕も切符買おうかな。




そう言った僕に顔を明るくした沙月を窓口まで連れてく。




「えっとね…、3240円かな片道。でも途中で乗り換えるから今払うのは1940円かな…。」




さすがにこれくらいの金額になると自動の切符売り場では発券されないため、窓口で切符を2人分買う。



それを受け取ると、沙月がすごく目を輝かせた。