だんだん月がのぼる時間がゆっくりになってきたからか、まだ沈むのに時間がある光を見上げた。
「…そうだ、すずくん明日の予定を決めようよ〜!私楽しみで昨日寝れなかったよ?」
「昨日寝れなかったって…、どれだけ楽しみにしてるの。」
…まだ何も決めていないのに。
無邪気な沙月がなんだか可愛くてクスッと笑う。
そんな僕を見たのか彼女がムスッとした顔をした。
「なんで笑うの〜!だって友達と計画立てて遊びに行くのなんて初めてなんだよ?」
「だから、沙月って大げさなんだってば。」
「大げさじゃないよ〜、ふふふ。」
僕が言えばいつも楽しそうに反論してくる。
もしかしたら作戦だって分かっていても、男子って『初めて』には弱いんだなあってつくづく思う。
沙月が狙っているのかはわからないけど。
「でも…、出かけに行くってどこに?」
「えっとね、私、水族館に行きたいの!!」