「雪花さんって沙月と同じ学校だったんだっけ。」
「うん、そうだよっ、…と言っても沙月ちゃんは全く学校に来なかったし、来たとしてもクラスが違くて会えなくて。」
「全然現れない月光のような儚い姫かぁ…、くっさいけど話聞く限り確かにその通りだよなあ。」
松坂がそうボヤいて机に頬杖をついたのを見て、手を合わせて「ごちそうさまでした。」と呟く。
顔を上げるとちょうど雪花さんも食べ終わったところのようだった。
「しっかし、なんで学校来ないんだろうな、雪花さん理由知ってる?」
「ううん…、先生達に聞いても一切教えてくれなかったからわからないの。多分少し複雑な事情があるんじゃないかな。」
複雑な事情…、か。
それなのに初っ端、沙月に『なんで学校来ないの?』って聞いた僕のデリカシーの無さって一体…。
平凡な上、デリカシーもない失礼な奴だなんて…。
「おぉーい、鈴木?どうした??」
「松坂どうしよう。」
青ざめている僕に気づいたのか、松坂が目の前で手を振ってくる。
その手をガシッと掴んで、僕の方へ寄せた。
「おおう…、どうした?」
「僕…、平凡なのにデリカシーすら無いかもしれない。」
「お前の不器用は今に始まった事ではないだろ。」
「待って。それフォローになってない。」
地味にショックだから、フォローするなら完璧にしてください。