イラっとしながら、A弁当のメインの唐揚げを口に入れるとジュワッと肉汁が広がった。





うん、やっぱり購買の唐揚げも美味しいよな。






「…そうだ、松坂くんって沙月ちゃんのこと知ってるんだよね。」





唐揚げの美味しさを堪能している時に、不意打ちで沙月の名前が出たから思わず喉に詰まらせかけた。




今日は金曜日。確か上弦の月で、沙月に絶対に今日は屋上に来てと言われていた。




…明日の出かける予定も一切決まってないし。




昨日は彼女が珍しくすごく遅れて、少しだけしか話せなかったから。






「ああ…、いやこいつが月光の姫のこと知りたがってたからさっ。」





色々と考えていたらバシンッと背中を思い切り叩かれて、ちょっと松坂を睨む。




松坂にとっての軽く叩いた、は全然軽くなんかじゃない。




ジンジンと痛む背中をさすっていると雪花さんからの視線を感じて顔を上げた。