「ふぁ…」
欠伸をしながら眩しすぎる朝日に目を細める。
…昨日の若宮さんの行動が気になって、よく眠れなかった。
本当、あれは何だったんだろう。
「おっはー、鈴木!なんかしけたツラしてんな!いつも以上に!!」
トボトボともう慣れてしまった道を歩いて校舎に入った途端、クラスメイトに声をかけられた。
「…おはよう、松坂(マツザカ)。」
「相変わらず眠そうだなお前は。」
「逆に朝からそんなテンション高いの松坂くらいだよ。」
松坂はすっごい明るくてどちらかといったらお調子者だけど、クラスの中心人物。
裏表もなくていい奴だからかなりの人気者なのに、平凡すぎる僕によく話しかけてくれる。
「なあ、松坂。若宮沙月って知ってる?」
「は?お前なめてんの?何で俺が月光の姫を知らないと思った?」
「…ですよねー」