「怒らないでよ〜、半分は冗談だけど半分は本当なんだから〜。」
「…どういう意味?」
「月が満ちて大きくなったら嬉しいし、逆に欠けてくのを見るのは寂しいの。ほら、運命を共にしてるでしょ?」
月の満ち欠けで嬉しくなったり寂しくなったりするってこと…?
確かにそういう発想は僕にはなかったけど、それとこれとは話が別じゃ…。
「あ、でも満ちていくのを見るのは嬉しいけど同時に切ないかも。」
悶々と考えている間に、いつの間にか起き上がって体育座りをした彼女がそんなことを言う。
「…どうして?」
「いつかは欠けて見えなくなっちゃうから。…どんなに綺麗でも満月はずっとは続かないから。」