でも…、大げさだったとしても彼女が友達を欲しいと思ってることはわかったから。






「うん、いいよ。僕でいいなら。」





その瞬間、パァッと嬉しそうに笑みを浮かべて僕の手をもっと強く握る。





「ありがとうっ!すずくん!!」





彼女が喜んでるのを見るのは良かったけれど、ぶんぶんと強く振り出したので丁重に止めておいた。





喜ぶのはいいんだけど、僕の手は結構痺れるからね?





…でも、まあ、これで僕と彼女との関係に名前がついたから一安心。





『友達』という括りで、これからやっていける。





綺麗な彼女の笑顔が目に入って、僕も自然と微笑んだ。






「ねえ、すずくんこれからも…、平日はここに来てくれる?」




「…うん、わかった。」





今の時間すらも、夢のようで、幻のようで。




でも、『友達』という名前が現実に近づけてくれた気がする。





夢と現実の間の日々がこれからも続くと思うと、





ほんの少しだけ楽しみになった、なんて彼女には…言わないようにしようかな。