「…例えばその後悔って?」





「色々だよー!簡単なことからなかなか難しいことまで!」





僕の質問に嬉々として彼女が答える。





そんなに幅広く後悔があるんだ…。





なんて思ってると、沙月が目の前にやってきて僕の両手を急に握った。






「1つ目のわがままを聞いてくれる?…すずくん、私と友達になってほしい!」





「……っ、ともだち…??」






突然の行動に戸惑っていると、彼女からの提案に余計混乱する。




友達に、なるって…、僕と?




ていうか後悔を消すわがままがそれでいいの?





「私、友達今までできたことないんだよねー…、小さい頃とかクラスの女の子とほんの少し喋ったりはしてたけど、遊んだりってほど仲良くはなれなかったの。」




「そんな、…今までで1人も?」




「うん、1人もいないよっ。」




「…少し大げさだよね。」




「ふふっ、大げさじゃないよーってば。」






僕の呟きに彼女が肩をすくめて笑う。




この前といい、彼女は少し大げさになる癖があるんじゃないかなって思った。