今夜、君に月をあげる。







だから、僕は小さく頷いてしまったんだ。




「…助けてくれる?」




「…僕にできることなら。」




「ありがとう、すずくん。」






本当にこんな平凡な僕にできることなんてないと思うけれど。





静かに僕から離れた彼女が、弱々しくでも微笑んでくれたからなんとなく安心した。







「今日は金曜日だから…、すずくん、月曜日、またここに来てくれる?」





「…いつ?」





「…夜に。この学校ね、裏口もドアの鍵壊れてるから入りたい放題なんだよ?…もし警備員に見つかったら私の名前言ってね?」







ふふっと笑った沙月が空を仰ぐ。