「…お願い?」
「そう、お願い。」
そう呟いた沙月がゆっくりと近づいて来て、トンと頭を僕の肩に軽く乗せた。
「お願い……、私を、助けて。」
「えっ…」
彼女の声が震えていて、あまりにも弱々しくて。
思わず漏れていた自分の声を後悔する。
だって、さっきまで彼女はずっと笑ったり、微笑んでいたから、
まさかそんな消えてしまいそうに言われるなんて思ってもいなかった。
「…助けるって…、」
「そんな大したことはしなくていいの。…ただ、怖くて。」
彼女の言葉にごちゃごちゃの頭でなんとか想像を働かせる。
細くて白い腕が、そっと僕のもう片方の肩に触れた。
…こんな華奢で細い体で、あんな特殊な能力を持ってしまったら、確かに怖いかもしれない。
僕だって驚いているけれど、当事者の沙月の方が何倍も驚いて怖かったんじゃないのか。


