今夜、君に月をあげる。









「死なないよ。」




凜とした彼女の声が静かに伝わる。



…彼女に昨日言われた言葉。




嘘だって何回も思ったし、何かのトリックがあるのかと思ってた。



口に出したら、誰かにバカにされてしまいそう。




だから、今日ちゃんと嘘だって断言してもらおうと思っていたのに。





「…う、そでしょ」




「残念だけど嘘じゃないよ、でも訂正。死なないんじゃない。死ねないの。」





意味が分からない。謎しかない彼女だけど、余計に。




澄んだ彼女の声と、揺るがない瞳が彼女の言っていることが真実だと訴えてくる。




だけど、そんなのどうやって受け止めろって言うんだ。





トリックや嘘だと思っていたのが真実だって言われて、素直に信じられるほど、






僕だって単純なわけじゃない。