……今でも夢に見る。
君と繰り広げた、たった1ヶ月の幻のような日々を。
ふと上を見れば、夜空に三日月が浮かんでいて。
君と見た夜空には程遠いけど、綺麗な星空が見えた。
いつもは街が明るくて星なんて全然見えないのに。
今日だけ、星が綺麗に見えるだなんて、…気のせいかな。
僕は、沙月との約束通り、前を向いていた。
散々泣いたけれど、そこからは約束を守るのに必死だった。
だけど、前に鳴沢先生が言っていた『今でも、吹っ切れてない』って言葉、今ならなんとなくわかる。
僕も、吹っ切れてなんていない気がするし、どうしようもなく苦しくて、悔しくなることもある。
だけど、沙月との約束が僕を強くさせてくれていたんだ。
……ねえ、沙月。
今君はどうしているんだろう。
…笑っていてくれたら嬉しいな。