やっと思い出したんだよ、って。
あの時は、栞ありがとう、って。
でも、教えてくれても良かったじゃないか、って。
君に伝えたいことがまだある。
言いたいことがある。文句すらも言ってやりたい。
ねえ、やっぱり諦めるなんてできない。
まだ沙月に言いたいことがいっぱいあるんだよ。足りないんだよ。
「ばか…っ、や、ろうっ…!」
もっと沙月に会いたい。…会いたいんだ。
夢で逢えたらいい。
そんなの嘘だった。
…夢だけじゃ嫌だった。
君に、現実で会いたくてたまらない。
ねえ、勝手に消えないで。
お願いだから、また見惚れるくらい綺麗に笑って。
「…うわああっ……、うっ、わあ…っ!!」
叶わない願いをただひたすらに、何度も何度も願いながら僕はずっと泣いていた。
人生でこんなに泣くことなんてないってくらい、ただ…、逢いたくてたまらない人のために、泣いていた。