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バタンッなんて荒い音まで、無機質に聞こえる。



勢いよく扉が開いた先には、どこまでも続く青空が広がっていた。



まるで君と昨日見た暗闇が嘘なくらい、鮮やかな空。



土曜日の昼過ぎ。



先生にバレる可能性だってあったのに、そんなの構わないほどここにくるのに必死だった。



この1ヶ月、毎日のように通っていた屋上。



いつだってこの扉を開けば君がいて。




だけど…、今日は君がいない。




沙月が、どこにもいない。