今夜、君に月をあげる。







そこから顔を覗かせたのは1枚のカードと押し花の栞のようなものだった。



カードを取り出すと、綺麗な字で「私の最後のわがまま。そんなに重く受け止めなくていいよ、でも…、もしわがままを聞いてくれたら、嬉しいな。」とだけ書かれていた。




これを書いたのは沙月で間違いなさそうだけど…。




肝心の『最後のわがまま』がどこにも書いていない。




疑問を浮かべながら、入っていた栞に目を向けると既視感を覚える。




…これ、どこかでそっくりなもの、…。




少し色褪せた台紙に、小さくて愛らしい青い花。




じっと見つめて、ふと思い出した。



近くにあった自分の財布から大急ぎで、栞を取り出す。




……どうして、沙月がこれを持っているの。




その栞は、…僕が持っている栞と全く同じだった。




台紙の色も、色褪せ方も、押し花の種類さえも。




どうして、…だって、これは確か姉ちゃんが…。




そこまで考えて、1つの仮説が頭をよぎる。