「ちーさーとーーー!!起きなさーい!!」




ぐわんぐわんと頭に響くくらいの母さんの大声に目を覚ます。



ぼやぼやとした頭で辺りを見回してみると、見慣れた僕の部屋だった。



…昨日、あのまま無事に帰ってきたんだ。



記憶が曖昧すぎてよく覚えてないな。



頭を掻きながら、リビングへいるだろう母親にこれ以上怒られないように部屋から出る。



ダイニングに向かえば、もうすでに起きていた姉さんが僕を見て笑った。



「あはっ、千里の寝癖やっばーい!!」


「…どうなってる?」


「爆発って感じ!昼まで寝てるからそうなるんだよ〜。」



優雅に紅茶を飲む姉さんを横目に、用意されていた僕の分のトーストの前に座る。



サクッという音を立ててそれを頬張った。



何の変哲もなさすぎる土曜日。



昨日のことがまるまる夢のようで、何ひとつ実感が持てない。