今夜、君に月をあげる。








「…沙月は、なんでこんな時間に昨日も学校にいたの?」



「あー、そうだよね。そこ気になるよねー。…えっとねえ、出かけたかったからだよね。出かけたかったけど出かけられるのが夜しかなかったから、こんな時間。」




肩をすくめた彼女が眉を下げて微笑む。




この答えでいい?というような視線に頷いた。





実際彼女が言っているのは核心ではなかったし、疑問が晴れた訳ではないけれど、一生懸命困りながら笑って答えてくれるのを余計に追及しようとは思わない。





それに、こと細かに僕に説明する義務だって彼女にはないだろう。






「じゃあ私のターンね!…すずくんは彼女さんがいますかっ!」



「いないけど。」



「おっと、即答!ちなみに言うとね私も彼氏いないよ!」




返事の早さに驚いた沙月の言葉に今度は僕が驚く番だった。




それくらい容姿が整っていれば彼氏の1人2人くらいいても違和感ないのに。




…いや、むしろ彼氏がいなきゃ逆に不審に思うレベルだ。




「彼氏いたことないんだよね〜、私。そんなにモテないオーラ持ってるかなあ??」



「…なんならモテるオーラしかないよ。」



「えっ嬉しいこと言ってくれるね〜、でも年齢=彼氏いない歴は揺るぎない事実なのだよ。」





舌を出してはにかんだ彼女を見て、また疑問を抱く。




…もし僕が気付かないだけで彼女にすごい欠点があったとしてもこれくらいの美貌なら絶対に彼氏くらい作れるんじゃないかな。




少なくとも松坂は泣いて喜んで告白すると思う。