「はー、でも本当に綺麗。…私、星空もかなり好きになっちゃったかも。」
「ふは、そしたらもう夜空全体だね。」
「うん、夜空、大好き。」
しんとした空気に乗せて彼女の声が聞こえる。
さっきとは違って、ほんの少しだけ寂しさで震えているように聞こえた。
「もし、私が死んじゃったら、三日月と綺麗な星空を見せてあげるね。」
「…縁起でもないこと言わないの。」
「へへっ、だって、それくらい素敵なことできるって思わないとやってられないでしょ。」
彼女が空を仰ぐように、また仰向けの形になる。
だけどその瞬間、瞳から透明な涙がこぼれた。
「ねえ、すずくん。…私のこと、バカだって思う?」
「……どうして?」
「原因不明で明日の保障もなかったけど、いつ死ぬかは分からなかった。…まだ生きられたかもしれないのに、元気と引き換えに1ヶ月で死ぬって決めちゃったから。」
涙が、星空を映し出して静かに消える。
彼女から伝わるのは、寂しさと悲しさと、微かな後悔。


