今夜、君に月をあげる。







…ここにある?月が?



僕の疑問が通じたのか、してやったり、という顔で首元に手を伸ばす。



すると華奢な沙月の首元にキラッと一瞬輝くものが見えた。




「…あ、それ…。」



「そう、すずくんがくれたネックレス!」




それは正真正銘、僕があげたネックレスだった。



確かにそれは三日月がモチーフになってるけど、月の代わりになるのかな…。



疑問を抱きつつも、彼女が満足そうにしているからホッと安心する。



月が出ていないのをてっきり残念がると思っていたから、楽しんでくれてるなら幸せだ。




「すずくんがくれたから、もうすっかり三日月が大大大好きなの。」



「全部の月の中で?」



「ふふっ、うん。満月も綺麗で大好きだけど、三日月が1番好きになっちゃった。だって、私の名前そのものなんでしょ?」




沙月の言葉に、そんな言葉まで覚えていてくれたんだ、となんだか心が暖かくなる。



綺麗な星空は少しだけ僕らを素直にさせるのかも。



2人で顔を合わせて、笑いあった。