今夜、君に月をあげる。







本気で驚いた。




…だって、こんなにも美しい星空なんて見たことがない。




周りの明かりが全て消えているから、さっきまで見えなかった星が空中を覆い尽くしていた。




蒼白く輝いた星が連なって、無数に夜空に灯る。




どこを見ても星が僕達を照らして、宇宙空間に吸い込まれたかと錯覚するほど、綺麗で。




これが幻だと言われても納得がいってしまうくらい、幻想的で。




ただ空に散らばった星が瞬いている、それだけで。息を呑むくらい美しい。




「…すずくん、綺麗だね…っ。」



「僕、こんなに綺麗な夜空初めて見たよ。」




沙月の声は、感動からなのか少しだけ震えている気がした。



視線を逸らして彼女の方をむけば、微かに星に照らされた横顔が目に入る。



その透き通った瞳には、満天の星が浮かび上がっていた。




「すずくんにも“初めて”ってあったんだ…。」



「あるよ、僕をなんだと思ってるの。」




僕の言葉にそれもそうか、と口角を上げる。



それを見て、再び星空へと向き直った。