今夜、君に月をあげる。








「あ、すずくん、あそこは?」



「そうだね、レジャーシートにも合いそうなスペースだ。ありがとう。」



「んふふっ、どういたしましてっ。」




お礼を言われて満足そうな沙月を横目に、珍しく背負ってきたリュックからレジャーシートを取り出す。



普段はあんまり荷物を持たないから、鞄を持つことも少ないんだけれど今日は特別。



レジャーシートを広げたついでに、持ってきていたブランケットも取り出した。




「わっ、すずくん手際がいい…!ブランケット持ってきてたんだ〜。」



「んー、山頂だからひんやりするかなっておもって。」



「確かに、ひんやりしてるかも…、私も持って来ればよかった。」



「え、沙月も使うと思って大きなサイズを持ってきたけど…。」




むしろ僕は気温の体感機能が鈍い方だから、沙月に使ってもらわないと僕が持ってきた意味が半分以上減る。



そんな僕の訴えを察したのか、沙月はニコッと笑って無邪気にブランケットにくるまった。