今夜、君に月をあげる。







そんな会話を繰り返しているうちに、ゴンドラは到着駅である山頂に着いたようだ。




ゴンドラから降りる沙月に手を貸したら、嬉しそうな顔を見せる。




手を重ねたまま2人で地上に降りると、足元にあるランタンが幻想的な雰囲気を作り上げていた。




「わぁ…、綺麗だね、すずくん。」



「本当、なんか夢みたいだね。」




ランタンがほんのりと周りを照らして、山に囲まれた薄暗いこの空間がぼんやりと灯る。



綺麗な君がより一層煌びやかに映るから、隣にふさわしいように背筋が少しだけ伸びた。



星空はまだ見えていないのに、もうすでに綺麗だなんてこれからどうなるんだろう。




「ふふっ、ウキウキするね、すずくん。」



「…僕もちょうど同じこと思ってた。」



「ほんと?周りの明かりが全部消えて、星空を見るなんてなかなかないもんね。楽しみ〜!」





目に見えて興奮している沙月に、ハハッと笑って手を軽く引きながら歩く。



するとすぐに、会場である芝生の広場のようなものが見えてきた。




アクセスも結構大変な場所だけど、このツアーはやっぱり人気があるみたい。




意外にも多くの人で賑わう中、いい感じの空いているスペースを探す。