意気揚々とそう言う彼女と目があって、2人してふふっと吹き出す。
…そこまで勢いよく言われるとなんだかくすぐったい。
けど、そこまで喜んでくれたなら良かったなと思う。
そのまま、彼女の唇が弧を描いた。
「じゃあ、すずくん。…私と、一緒に出かけてください。」
「うん、もちろん。」
「ふふっ、やったぁ、すずくんと3週連続のデートだー!!」
「だからね、デートっていうのは付き合っている男女がするものであって…。」
「すずくん、つまらないことにこだわらないの!!」
僕の声を遮って、沙月がしーっと自分の口元に人差し指を置く。
まるくて大きな瞳がいたずらっ子のように光った。
「私達の関係なんて付き合うとか、恋人とか友達とかそんな肩書き要らないの!」
ふふふ、と楽しそうに笑う彼女に「ふは、なんだそれ。」って僕が突っ込む。
思わず笑ってしまって、再び夜空を見上げた。
…最初は友達って肩書きに安心していたけど、でも確かに、
僕達にはそんな平凡な肩書きなんて要らないのかも、なんて。
そんなことを思った。