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鈍い音を立てて開いたドアからそっと顔を出す。
いつもより気持ち早めに来てしまったけれど、彼女はもう屋上にいた。
華奢な背中が、音に反応して振り向く。
「すずくん、こんばんはっ。」
「こんばんは。…早いね、もう来てるなんて。」
「んー、今日は下弦の月の日だからね。曇っちゃってるけど。」
沙月の隣に並んでから空を見上げてみると、確かに薄い雲が覆っている。
真っ黒な空は、なんだか少しだけ心細い。
「…ていうかそもそも下弦の月って、空にのぼる時間も遅くなるんじゃなかったっけ。」
「あ、そうだ、忘れてた…。もうっ、余計に見れないじゃん〜っ!」
地団駄を踏むように足を動かして、むうっと頰を膨らました。
そんな姿を見て、少し声に出して笑う。
…本当、相変わらず純粋っていうか、無邪気だなぁ。


