今夜、君に月をあげる。






上手く解釈が合っているかはあんまり自信はないけれど。




「俺らの日々だって、慣れていてありふれているから平凡に感じるけど、そうでない人からしたら特別だろ。」



「…まあ、そうかもね。」



「急にこの平凡が消えるって言われたら、今までの平凡な日々が特別に変わるわけだし。…結局、平凡も特別も大した差なんてねえってこと。」





なんだか今日の松坂は、一味違うのかもしれない。



あ、でもこういうやつだった。



いつもはおちゃらけてるけど、ちゃんとしっかりと優しさがあって。



なんだか心が暖かくなって、わけもなく泣きそうになる言葉を言う男だ。




「ありがとう、松坂。」


「おう、なんで礼言われてるかよくわかんねえけど!」




でもやっぱり最後はいつもの松坂らしくて、ふっと笑う。




…きっと僕らの“平凡”は、沙月にとっての“特別”だった。



僕らにとってはありふれていて、何ひとつ特別感なんてないけれど。



沙月にとっては、いつ壊れてもおかしくない朧げで“特別な平凡”だったのかも。