今夜、君に月をあげる。






「それなら、誠とかの方が気持ちわかるかもね。…紹介しよっか?あ、でもダメかなあ。あいつ今医学に夢中だから。」



「誠…?」



「その子の彼氏。もし話してみたくなったら言ってね。…その時は、さすがの医学バカも予定空けてくれると思うから。」




医学バカって…。



先生の言葉に少し笑いそうになるけれど、正直言って興味があった。



…またいつか、お話ししてみたくなったら先生に頼んでみようかな。




そう思って、再びホチキスを手に取る。




この短い時間で僕にある覚悟をさせてくれるなんて、鳴沢先生はやっぱりすごい。




「先生、その人との思い出、何が1番印象的でした?」



「…ふふ、長くなるけどね、聞きたい?」




先生の言葉に頷けば、先生はわずかに嬉しそうに話してくれる。



それを聞きながら僕はパチンという音共に、心をつくっていた。