その時に、ちょうどタイミング良く授業終了のチャイムが鳴って、「じゃあ、鈴木くん。放課後によろしくね。」と言われて鳴沢先生は去っていった。




と同時に、松坂が飛んでくる。




どうせまた、『メグちゃんと2人で雑用とか羨ましすぎんだろ〜!!それ罰でもなんでもねえよご褒美だろ!』とか言われんのかな…。




そこまで想像していたけれど、思ったより真剣な表情に背筋を伸ばす。




「おい、鈴木、どうしたんだよ。」



「どうしたって、何が?」



「昨日から何もかもうわの空って感じで、ちっともらしくねえ。俺だって心配になるよ。」




松坂の言葉に、僕が驚いた。



まさか松坂にバレるくらい考え込んでいたつもりもないし、何より松坂がそんなに心配してくれているなんて思ってもなかった。




ほんの少しだけ、不謹慎かもしれないけど暗闇にいた心が暖かくなった気がする。





「…そんなことないよ。ちょっと、考え事があるだけ。」



「そういうのは全部1人で抱え込むなよ。…俺にだって、誰にだっていいから、お前の悩みは分け合ってみろ。みんな受け止めてくれるから。」



「うん…、ありがとう。」




嬉しさに唇をすぼめると、松坂は安心したような顔を見せて僕の頭を撫でた。