「…私は原因不明の、大きな先天性心疾患をもった女の子として成長したの。両親が過保護だから自宅療養だったけど、日常生活にそんなに影響はなかったんだよ。たまに発作は出たけれどそれでも依然として元気だったの。」
彼女の言葉が、少しずつ明るくなってくる。
けれども、背中からは悲しみが溢れていた。
「私は、治ると思ってた。だからね、他の子達みたいに遊べなくても構わなかった。元気に学校に行けなくても痛くも痒くもなかった。そうやって、妙に物分かりのいい変な女の子の出来上がり。」
そこで、あ…、と昔の記憶を掘り返す。
“『あっ、なんで学校来ないか?それはねー難しいなー。…まあ正確に言うと行きたくても行けなかったから?』”
彼女は、僕の質問にそう答えていた。
行きたくても行けなかったのは、……まさか、これが原因?
「小中は公立だったから行かなくても卒業したけれど、高校はそうはいかないじゃない?…お父さんがね、ここの校長と知り合いだったの。だから、事情を話してお金と情で、進級できちゃう不思議な不登校少女の出来上がり。」
ペロっと舌を出した彼女に、うまく表情を見せられたのかわからない。
だけど、彼女は僕のことを気にしていないみたいだった。
「…治ると思ってた発作は、年々酷くなっていった。小さい体よりも大きな体の方が血液を回すのに負担がかかるみたい。…私は、この頃から自分の人生を後悔し始めたの。」


