「いいよ、すずくん。どんな言葉でもいいよ、すずくんらしいから。」




そんな僕を見透かしてなのか、彼女がしんとした声でそう告げる。




驚いて目線を上げると、彼女はこっちを見ていなかった。




その横顔を見て、拳に力を入れる。




…その時に、気付いてしまった。




僕は、本当は沙月を傷つけない言葉は何かって迷っていたんじゃない。




僕の質問で、最悪の真実を沙月が肯定してしまうのが怖かったんだ。




「聞きたくないだろうけど、聞いて欲しいの。本当はもっと後に話そうと思ってた。…だけどこのタイミングは運命なんだって思ったの。」





なかなか質問をしない僕に沙月がそう言う。



思わず泣きたくなって、切なくなって。




ボロボロの思いで、あの時のように口を開いた。





「……沙月は、本当に死なないの?」