今夜、君に月をあげる。






「ごめんっ、本当、泣くつもりなんてなかったんだけどっ…、この写真見たら、っ、今日楽しかったなって思っちゃってっ…。」




涙が止まるどころか泣き続ける彼女の手に、そっと触れる。



そのまま、静かに頷いた。




「うん、僕も楽しかった。」



「す、すずくん〜っ、な、泣かせに来ないでよ〜っ、…っ、余計に泣いちゃう〜っ。」



「いいよ、泣きたかったら泣いて。そんなに楽しかったって言ってもらえたら僕も嬉しいし。」




僕が言えば、沙月はまた「優しすぎていじめだ〜。」と言って泣き始める。




それを見て、少しだけ笑ってしまった。





沙月ってやっぱり大げさ。それに加えて泣き虫。




だけど、そんな君を知れたことが嬉しく思う。





「…また、来ようね。」



「…………ありがとう、すずくん。」




僕の言葉に彼女が更に涙を流しながら、微笑んだ。