「あ、見て、沙月。」
ふと目にとまったものを指差せば、彼女がそっちに視線を向ける。
僕の指の先には、景色が動いている窓の横に広告があった。
先ほどいたばかりのコスモス畑の写真に『10月29日・30日にコスモス花摘み大会!』と書かれている。
色とりどりの花達があって、この写真すごく綺麗だな。
沙月も、こういうのすごく喜びそう。
なんて思っていると、彼女が肩を震わせているように見えた。
「沙月…?どうした?」
不思議に思って顔を覗き込んでから、驚いた。
だって、大きな瞳に涙がいっぱいに溜まって溢れていたから。
いつの間にか、彼女が泣いていた。
「ち、違うんだよ…っ、あの、あまりにもこの写真が綺麗だったから、ちょっと…っ、感動しちゃって…っ。」
言葉をなくした僕に、彼女が慌てて否定をする。
泣きながらくしゃっと笑う姿に、なんだか僕まで切なくなった。


