「はぁ〜、歌った歌った〜!」
「松坂は少しバラードの曲を身につけてきてほしい。」
「え?俺の美声をじっくりききたいの?」
「2時間くらいハイテンション聞かされたり歌わされる身になって。」
すごい疲れるんだって。消費カロリーがテレビに表示されてる比じゃない。
「まあ楽しかったよ、鈴木!ありがとな!」
手を軽くあげた松坂に僕も口角を緩める。
まあ、疲れたけれど楽しかったは楽しかったから許そう。
「んじゃあ、メグちゃんによろしくな〜。」
「…ああ。」
ヒラヒラと手を振る松坂の言葉で今からの任務をはっと思い出す。
メグちゃんとは松坂お気に入りの鳴沢恵先生。
僕らのクラスの副担任で、ボブが似合う美人な女の先生だ。
まだ若くて新米らしいけれど、生徒のことをよく見ていてくれてクールビューティな性格も外見も生徒の人気の的。
…って言っても別に鳴沢先生に会うためじゃなくて、忘れ物取りに行くだけなんだけど。
しかも2日連続で。