今夜、君に月をあげる。







「えっ、すずくんこれって…!?」



「別に誕生日とかじゃないのに、重いかなって思ったんだけど…。街で見かけたら沙月っぽいって思ってなんか買ってた。」



「…重くなんかないよっ…、嬉しい…!ありがとうすずくんっ!!」




その輝きに手を重ねて微笑む。



…三日月のモチーフに、小さくダイアモンドのような宝石が付いているシルバーのネックレス。




今日のすずくんは、本当にサプライズが多すぎる。




嬉しくて幸せすぎる私は、どうしたらいいんだろうか。




「…若い月って書く“若月”には、三日月って意味があるらしいよ。」



「…ジャク、ゲツ…?」



「そう。まあ、ワカヅキって読む時もあるらしいけど…。…若宮沙月って、本当に月と運命を共にしている名前だよね。…沙月の名前、僕、好きだなあ。だから…、三日月を沙月にあげる。」





かっこよく微笑んだすずくんの髪が、月に照らされて煌めく。





名前なんて褒められたことなかった。




だけど、すずくんがそう言ってくれるなら、それだけで私も大好きになってしまいそう。




…幸せ。きっと幸せってこのことを言うんだと思う。




潤んだ瞳で見る世界が、とびきり綺麗だったのは。




絶対に、横にいてくれる君のおかげ。





…君は、私の真実をまだ知らないけど。






今は、それでいい。それがいい。