今夜、君に月をあげる。







「…で、すずくんはどっちが好きなの?」



「ん?昼と夜?」



「うん、私ばっかり答えるのずるいでしょ!すずくんの答えも知りたいの〜っ。」





そう言って子供みたいに地団駄を軽く踏む沙月。




その姿を見ていただけなのに、「また笑ってる!どうせ子供ですよーだ。」と拗ねられた。




…そんなにわかりやすく笑ってたのかな。




松坂には、いつももっと笑え!!って言われている立場だから、自分がここまで笑っているのも珍しいかも。




「…うーん、僕もどっちも好きだけど、強いて言えば…夜?」



「月が綺麗な夜って素敵だよね!そっかぁ、すずくんは夜が好きかあ!」



「…それもあるけど、夜は沙月に会えるから。」



「…すずくん、さっきから狙ってるの?」



「え、狙うって何を?」



「無意識か………。」





沙月が何故か隣でうなだれるから、頭に疑問符が浮かぶ。




だけど、両手で覆われた顔は赤くて微かに嬉しそうにも見えた。




…うな垂れてるのに嬉しそう…??




「…どうかした?」




「すずくんはね、ずるいと思うの。」



「えっ、沙月にだけは言われたくない。」





即座に言い返した僕に、怪訝な顔をする。



え、まさか自分の美人さに気付かなくてしてきた行動忘れてるわけないよね?




………まさかまだ自覚ないとかありえそうなのが怖い。