今夜、君に月をあげる。







今はまだ月は出ていないけれど、目の前にある昼の星がそよぐ姿に目を奪われる。




綺麗な黄色が夜空の光と重なって、儚く咲き誇る花弁がやっぱり隣にいる彼女に似ていた。




…こんな歳になって、花畑で癒されるだなんて思ってなかったなあ。




「沙月は、夜と昼、どっちが好き?」



「んー?難しいなぁ。夜はねもちろん大好きだけど、昼も好きだよ!明るい青空には希望を感じるでしょう?」



「ふは、なんか詩みたいだね。」




僕の質問に真剣に考えるそぶりを見せて、すぐにニコッと笑った彼女に少しだけ微笑む。




それでも笑われたのが気に入らないのか、ふくれっ面に変化した。




相変わらず表情が豊かで見てて本当に飽きないなあ、なんて。




「褒めてるってば。」



「あれ、それ前に私が言った台詞だよね?」



「うん、仕返し。」




ニーッと悪戯な顔を浮かべるとポカポカと軽く腕を叩かれる。




痛い痛いと言いながらそばにあったベンチに腰を下ろすと、彼女も真似をするように隣に座った。