今夜、君に月をあげる。







「わぁ…!綺麗!!」




やっと辿り着いたコスモス園で、沙月が吐息を混じらせながら呟く。



僕たちの目の前には、生き生きとした緑の芝生と鮮やかな青い空。




そして、辺り一面に広がる、綺麗なレモン色をした可憐な花。




ゆらゆらと時折風に揺れて、僕たちを誘っているみたいだ。




「私、コスモスの黄色いお花なんて初めて見た!」



「まだピンクの花は咲き始めみたいだからね。」




ここまで来る途中にピンクのコスモス園も通ったけれど、まだ3分咲き程度だった。



女子ってピンクの方が見たかったりするのかななんて不安は、沙月の笑顔で消え去る。




…だって、見たことないくらいキラキラした目で、花を見つめているから。





「こんなに素敵な黄色のお花があるんだね!ふふふ、私、黄色って大好き。だって月みたいでしょ?」



「ほんとだ、でも月ってよりは星じゃない?」




「あー!それもあるかも。小さくて、たくさんあって。…うん、星。星だね、すずくん!」




ニコニコしている彼女のテンションは絶頂のようだ。



これでもかというくらい上がっている口角に、僕もつられて顔を見合わせて笑う。