今夜、君に月をあげる。







何秒か沙月と見つめ合うと、「手…。」と小さい声で言われた。




…手…??




不思議に思って目線を下げると、繋いでいる手が目に入る。




だんだん顔に熱が集まってくるのがわかって、右の手の甲で口元を隠した。




「あ、えっと、ごめん、嫌だった…?」



「嫌なわけないけど、胸きゅんしすぎて倒れそうなだけ!だから離さないでください!!」




謎に大声で懇願されるから逆に僕が戸惑う。




…ていうか、やばい。本当に無意識に手を握ってた。





「…ほら、行こ。」



「うん!行く!」




赤い顔をこれ以上見られないように沙月の手を引くと、嬉しそうな顔をして歩き出す。




意識した途端に、身体中の熱が左手に回って行く感覚がした。