今夜、君に月をあげる。








「ふふっ、早くコスモス畑見に行こうっ!」




「え、ちょ、待って…!」





先ほどと同じように、はしゃいだ沙月に腕を引っ張られる。




芝生に囲まれた道を歩きながら進んでいくと、広い公園の中にも遊具があったり汽車があったりと可愛らしい光景にほっこりした。




ふと前を見ると、何も見ずに進む彼女に不安を覚える。




「沙月、ずんずん行くのはいいけどマップ見てるの?」



「え、見てないよ?」



「え、場所わかるの?」



「え、わからないよ。」




「………。」




選手交代。




さも当然のように言い張った彼女の隣に並んで、マップを確認する。




そのまま右手にマップを持って、左手で隣にいる沙月の手を握った。





「コスモス畑、あっちの方だって。ほら、行くよ。」



「…す、すずくん…。」



「ん?なに。」



「今すごい胸きゅんして倒れそう。」




顔を赤らめて潤んだ瞳で見られるけど、意味がわからなくて首をひねる。




……何かしたっけ、僕。