「ふふ、ありがとう、すずくんにそう言ってもらえるのが1番嬉しい。」




微笑んだ君になんとなく照れくさくなって、ふいと視線を逸らす。




なぜだか、僕の顔に熱が集まっているのがわかった。




…それを見て、彼女が嬉しそうにしているのも。





「…ねえっ、すずくん、決めてくれた?明日行く場所!」



「まあ、うん。沙月が好きかわからないけど…。」




彼女が喜びそうな所がいいと思って、たくさん調べたけれど、張り切れば張り切るほど沙月が喜んでくれるか不安になってきた。



そんな僕を察したのか、彼女がフェンスから離れて軽い足取りを見せる。




僕を振り返って楽しそうに笑うと、凛とした声を出す。




「大丈夫だって、すずくんが真剣に考えてくれたならどんな場所でも楽しいし、きっと私の好きな場所になるよ。」




そう言った彼女に僕も自然と微笑む。




…本当、彼女には敵わない。