今夜、君に月をあげる。







雪花さんや沙月に目を合わせても眉を下げて笑われるだけで、誰も話してくれない。




……なんで?




地味に気になる思いを抱えながらも、あと数口程度だったカレーを完食する。



沙月もスパゲッティを食べ終わったらしくて、お腹がいっぱいとぼやいた。




「ここの食堂美味しいんだね〜、私初めて来たっ。」



「ふふ、沙月ちゃん、私も初めて来たの。」




雪花さんと楽しそうに笑い合っている姿を横目で見て、手を合わせて「ごちそうさまでした。」と呟く。




沙月もそれに続いて手を合わせていた。





「んー、これからあと2コマあるって考えると大変だね〜!」



「確かにね。」




背伸びをした沙月にそう言えば、松坂も頷く。





「お昼ご飯の後まで勉強だぜ!?休みが少なすぎるんだよ。」




珍しく松坂に同感して、大混雑の食堂から立ち去るために椅子から離れる。




「おっ、あの黒髪の長い髪の人が、月光の姫らしいぜ!」



「確かに超美人!!」



「え、若宮さん!?めっちゃ可愛くない!?」




4人で食堂を後にすると、すぐに周りから絶賛の評価が伝わってきた。




…やっぱり沙月ってどこにいても目立つなあ。




と言っても、本人はあんまり気にしてないみたいだけど。